ナイトメアプロジェクト YAKATA





メーカー:アスク
ジャンル:RPG
ハード:PS1









さて今回のレビューは、「ナイトメアプロジェクト YAKATA」

この作品は「館」シリーズで有名なミステリー作家「綾辻行人」さんが監修しています。

多くの人はおそらく綾辻さんの作品と言う事が購入するきっかけとなったのでしょう。

私は安かったから買ったと言う理由だけどな。(980円)



買った当初、説明書に書いてある敵の説明をみて「このゲームは大丈夫なのか」と不安に。

というのも・・・







大ゴキブリ・・・おぞましい

巨大ゴキブリ・・・すごくおぞましい

叫び・・・叫びながら攻撃する

悩み・・・悩みながら攻撃する







読んでる私のほうが悩みそうです。

これを見る限りでは、どうもバカゲーじゃないかという疑惑が浮かんでくるのですが、

やらずに悩んでもどうしようもないため、早速プレイ。





えー、先に全体の感想を述べると、非常に楽しめるゲームでした。ええ。

ただ・・・なんというか、いいゲームなのにツッコミどころが多いストーリーでした。














まず、主人公の「ユキヤ」君。

手紙で呼び出しを食らって「角島」に行く事になったのですが、途中で船が波に飲まれて転覆。

偶然にも角島に流れ着いたのですが、後頭部から出血をし、しかも記憶喪失に。

ポケットに残っていた手紙で(ぬれていて全文は読めないものの)自分が『古我ユキヤ』という名前だと言う事がわかります。

周りに誰もいないのでとりあえず歩き回る事に。

ところがある森の中に入るとなぜか『勇者様』な服装に変わっています。

そんな超常現象に疑問を抱くものの、なぜかあまり驚かないユキヤ。

まあ記憶喪失でそれどころじゃないのかもしれませんが、とにかく森を抜けて「青屋敷」という館に着きます。



青屋敷ではユキヤと同じように招待された人たちがすでに到着していました。

招待された人たちの紹介をすると・・・







川口ミルコ・・・文芸書籍の編集者

北浜ミズキ・・・高校生(ユキヤと同い年)

赤城ソウイチ・・・売れない役者(昔は名子役だったらしい)





という面々。

屋敷の主人である中村千織の説明によると、今世界では『(寝てる時に見る)夢』を見られる人がいなくなったそうなのですが

招待された人たち(ユキヤ含む)は未だに『悪夢』を見る能力があるとか。

で、悪夢を見る事のできる4人は特別な能力をもっているらしいです。

その4人で『悪夢の増幅装置』と呼ばれる4つの館、『水車館』『迷路館』『人形館』『時計館』にある、

『悪夢の石版』を回収してきて欲しいとのこと。

このまま放っておくと、『最後の館』という館が完成してしまい

現実世界に悪夢が溢れ出し、大変な事になってしまうそうです。



そんな非現実的な話を聞いてもそうそう納得できるはずも無い4人。

とりあえずまた翌日中村千織の話を聞くことにして今日のところは各自の部屋に退散。

ところが次の朝、千織は一向に姿をあらわしません。

不審に思った4人と屋敷の使用人たちは千織の部屋をのぞきに行きますがカギがかかってました。

鍵穴からのぞいてみると、頭から血を流して倒れている千織の姿が!

部屋の扉を体当たりでぶち破って中に入って確かめると千織はすでに死んでいました。

さすがミステリー作家監修のストーリーだけはあって、ミステリーな展開です。

中に入ると、売れない役者のソウイチが突然、なぜか女の声

「ちょっと待っててね」

と部屋を一旦出ます。直後、見慣れない女の人が入ってきて



「私は赤城ソウイチの第2の人格、名探偵江戸川ランコよ!」



その場にいた全員呆然。(テレビの前の私も)

なんてったってさっきまで男だったはずのソウイチが、今は完全に女。

私知らなかったんですけど、多重人格者って人格変わると肉体も変わるんですか?

私敵には殺人事件よりも、ソウイチの二重人格のほうがよっぽどミステリーなのですが

とりあえず話を戻して殺人事件の検証をしてみると、密室殺人だということがわかります。

なかなか手がかりが見つからないのですがそばに時計が落ちていて、それがちょうど3時で止まっていました。

つまり午前3時が犯行時間なのですが、屋敷の使用人、4人の招待客誰にもアリバイがない上に、密室殺人の方法も分かりません。

ちなみに屋敷の使用人とはこちらの5人。











執事:鬼怒川



メイド:おろち



メイド:たまみ



下男:別府



料理人:有馬











さてこれでこの屋敷にいる容疑者9人を全員紹介しました。

というわけでだれが犯人か当ててみましょう。(わかるかよ)





とにかく何の手がかりも得られなかったのですが、『水車館のカギ』を見つけました。

これを青屋敷の隣に立っている『十角館』の中のドアに使うと『水車館』にワープできます。

水車館には招待客の4人(ユキヤ、ミルコ、ミズキ、ソウイチ)が行く事になりますが、

十角館の入り口にはカギがかかっていて、4人が体当たりしても開かない様子。

すると・・・



「俺が赤城ソウイチ3人目の人格、覆面レスラーのサンダータイガーだ!!」



やっぱこいつ精神病院に送ったほうがいいんじゃ?

(しかもコイツが体当たりしても開かず、結局カギを探す事に)














水車館に行ってみると、主人とその娘は行方不明、

しかも何故か敷地から外に出られないという不可解な現象が発生している事が分かります。

ちなみにその娘(ユリエ)とミズキは幼い頃に面識があったらしく(しかもミズキはユリエに惚れてる)、

大張り切りで水車館の捜索を始めます。(しかも成長が異様に早い)

『悪夢の増幅装置』というだけに館には『悪夢』が巣食っており、捜索はなかなか困難でしたが、

なんとか『悪夢の石版』を見つけ出し、ユリエを救出する事に成功。(主人は既に死んでいたが)

ユリエにも悪夢を見る能力があるらしく、これからの捜索には助力してくれるとの事。

とりあえずやることは全てやったので青屋敷に戻って一晩休むことに。

ところが翌朝、一番成長の早かったミズキが忽然と姿を消します。

あたりをいくら捜索してもミズキは見つからず。

仕方が無いのでユリエを含めた新4人パーティーで次の迷路館へ行く事に。



この新たに仲間に入ったユリエ、典型的なお嬢様(嫌味はないが)でまともに戦えるのかと思ったのですが、

戦闘シーンを見ると何かを投げている様子。

装備を確認してみると<毒薬の小瓶>

オウムもびっくりなお嬢様ですが(アーチャリーですか?)、そんな彼女のテロパワーのおかげなのか、

はたまたここで成長の早かったミルコのおかげなのかは分かりませんが

迷路館でも無事に『悪夢の石版』を発見することが出来ました。

再び青屋敷に戻っていなくなったミズキを探すもののまた見つからず。

そして翌朝、今度はミルコが行方不明になりました。

残された3人で探すものの、やはりミルコもミズキも見つからず。

その上、誰も入れないようにカギ+ガムテープで封印されてた殺人現場の

千織の死体まで無くなるというミステリー。

そろそろ屋敷の使用人の誰かが『悪夢』の使者ではないかと確信し始めたユキヤ達。

いろいろ考えてみたものの、謎が解決しないので仕方なく3つ目の人形館へ。

この時点で『記憶喪失』『多重人格』『毒瓶娘』というズッコケ3人組



ちなみに最初からいた仲間は4人→2人と減ったものの

それに対するように、ソウイチの人格は3人→5人と増加



・・・こいつらに世界任せて大丈夫なんか?














『人形館』はソウイチの家だと言う事が分かったのですが(来るまでは分からなかった)、

さすがに自分の家だけあってソウイチ君大活躍。



到着するなり何故か突然寡黙になり、ユキヤとユリエの二人で捜索をさせられたり、

昔ソウイチが作った外見100%ロリな人形『マヤ』が仲間になったり、

新たに発生した6人目の人格によって身を滅ぼされそうになったり・・・



ソウイチ君。悪い事言わんから早く精神病院行ってくれ。







まあ、とにもかくにもこのイベントでソウイチの多重人格が治り、めでたく真人間に。

んで、今回の『人形館』において一番成長したソウイチ。(精神的にも)

多分今夜行方不明になるのは自分だと予測して、夜中にユキヤの元に来ます。

ソウイチはユキヤに『(ユキヤの)身代わり人形』を渡し、

「とりあえず今夜、何がミルコとミズキをさらったかこの目で確認してやる。

 もし俺が行方不明になったら迷わず最後の時計館に行け。そして、多分次はキミがさらわれる番だから

 この『身代わり人形』を使ってくれ」

と言付けて去っていきます。



・・・まあ予想通り翌朝ソウイチはいなくなってしまいます。

で、殺人現場を調べてみると、メロディーによって開く隠し通路を発見。

これで密室殺人と死体消失の謎が解けたわけですが、まだ犯人はわかりません。

とりあえずソウイチの言葉どおり、次の『時計館』に向かうユキヤ達。

時計館では、実はユキヤの家なのですが、最初はなかなか記憶が戻ってきません。



入り口のところでユキヤの飼い犬が仲間になります。

その結果、『記憶喪失』『毒瓶娘』『人形』『犬』という、『摩訶摩訶』に匹敵するメンバーに。

(ちなみに『摩訶摩訶』は板前、ダンボール男、ウルトラマンのパクリなど・・・)



この『時計館』内でついに殺人事件の犯人がわかります。

ストーリーのメインとも言えるミステリー、犯人は・・・





























主人公のユキヤ君でした♪





まてやオイ。

なんか『金田一君が犯人だった』並に納得がいかないのですが。







そのトリックは時計館に乗り込んだユキヤが意思だけ事件当日にタイムスリップし、

千織が悪巧みをしている事を知り、それを止めるために寝ている自分の肉体に乗り移り、

秘密の通路を使って千織の部屋に到着。

すると千織がユキヤの首をしめて殺そうとしたため、そばにあったオルゴールで千織を殴る。

すると千織は即死。

慌てて自室に戻ると、ユキヤの意思はもとの時間に戻っていきました。






もはやミステリーでもなんでもない。














『時計館』ではユキヤの記憶が戻り、晴れて彼も普通の人間となったわけですが、

『青屋敷』に帰ってくると、どうも使用人達の様子がおかしい。

やけに早く寝るのを薦めたり、おかしな言葉を言ったり・・・。



自分の部屋に戻って一旦寝るのですが、途中で起きて身代わり人形をベッドに置いて観察すると・・・





壁から触手が延びてきて、人形を壁の中に飲み込む。











マジでびびった。夜中の12時ごろにプレイしていましたが、

未だかつてここまで怖いシーンのあるゲームは見たことがありませんでした。

(バイオハザードなら『怖いのが来る』と予測できる分ある程度余裕があるけど、これはそれどころじゃない)

危険を察知したユキヤはユリエ達を起こし、青屋敷から逃げます。

ところが逃げてる途中で屋敷の使用人が次々と襲ってきます。

まあつまりだ













こいつら全員『悪夢』の使者。









『主人公が殺人犯』『全員共犯』というミステリーではタブーの手法に

「いままで犯人を予想した意味は無かった」と愕然としました。かなり。











えー、とまあストーリーはツッコミどころが満載なのですが、

「誰が犯人か」ということを知らないうちは十分のめりこめるストーリーでしたし、

謎解きが多かったことも私にとっては好印象でした。

あと戦闘システムは病み付きになりそうです。

さらに音楽もかなり良かったですしね。これは普通にお勧めできるゲームです。

(謎解きが嫌いな人には無理だと思いますが)







『テキスト集』一覧へ戻る

TOPに戻る

inserted by FC2 system